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スミスマシンはバーの軌道が固定されているため、初心者から上級者まで幅広いトレーニーに利用されています。しかし、その手軽さゆえに「安全バー(セーフティ)」のセットを怠っていませんか?
本記事では、スミスマシンにおける安全バーの重要性から、種目ごとの高さ設定、事故を防ぐための注意点までを解説します。安全バーは、いざという時に身を守る役割があります。正しい知識を身につけて、怪我なく安全に筋肉を追い込みましょう。
スミスマシンであっても安全バーの設置は欠かせません。なぜ安全バーが必要なのか、その理由と仕組みについて解説していきます。
スミスマシンはバーベルの軌道がレールによって固定されているため、フリーウエイト(通常のバーベルなど)と比べるとバランスを崩しにくく、安全性が高いと言われています。しかし、「スミスマシンだから安全」と思い込むのは誤解です。
トレーニング中、筋肉を追い込んで「もう持ち上がらない(潰れてしまった)」という状況に陥った場合、スミスマシンであっても数十キロから百キロを超えるバーの重みはそのまま身体にのしかかってきます。フリーウエイトと同様に、首や胸、腰などを圧迫する事故に繋がる恐れがあるのです。
ホームジムなどで一人でトレーニングを行う場合、バーを持ち上げて助けてくれるスポッター(補助者)がいません。もし潰れてしまったら、自力で脱出する必要があります。このような事態において、自身の身を守るのが安全バーです。
安全バー(セーフティ)は、スミスマシンの左右の支柱(フレーム)に設置され、落下してきたバーを物理的に受け止めるストッパーの役割を果たします。
限界を迎えてバーを支えきれなくなったり、手が滑ったりしてバーが落下したとしても、事前に設定した安全バーの高さで止まるため、身体がバーとベンチパッド、あるいは床の間に挟まれるのを防ぐことができます。
安全バーの形状や仕組みは、メーカーや機種によって様々です。
例えば、支柱の穴にピンを差し込んで固定する「貫通式」や、支柱の刻みにフックを引っ掛けて固定する「フック式」、スプリングが内蔵されており衝撃を吸収しやすいタイプなどがあります。
高さを調節できる穴(ピッチ)の間隔も機種によって異なり、この調整幅が細かいほど、自分の体格に合った高さに設定することが可能です。
安全バーはただ設置すれば良いというものではなく、「適切な高さ」に設定して初めてその効果を発揮します。高すぎると可動域が制限されてトレーニング効果が半減してしまい、低すぎるといざという時に身体が圧迫されてしまいセーフティの意味がありません。
ここでは、スミスマシンで行う種目別に、安全バーの高さ設定のポイントを解説します。
スミスマシンでのベンチプレスでは、胸や首にバーが落下するリスクを避けるため、安全バーの高さ設定が重要といえます。設定の目安は、「胸のアーチを崩した(フラットな状態の)胸郭の高さ」、または「首が圧迫されない高さ」にすることです。
ベンチプレスを行う際は胸を張ってアーチを作りますが、潰れた時は力を抜いて背中をベンチにつけ、アーチを崩します。このアーチを崩した状態で、身体とバーの間にわずかに隙間ができる位置が適しています。
この高さに設定しておけば、追い込んでバーが上がらなくなっても、胸の張りを解くだけでバーの重さが安全バーに乗り、脱出することができます。逆に、安全バーが高すぎるとバーが胸につく前にストッパーに当たってしまい、大胸筋を十分にストレッチできません。
低すぎると胸や首が圧迫されて事故に繋がるため、「アーチを崩した時の高さ」を基準に調整してください。
スクワットは扱う重量が大きいため、潰れた際のリスクも高まります。スミスマシンでスクワットを行う場合の安全バーは、「自分が一番深くしゃがみ込んだボトムポジションよりも、数センチ下」に設定するのが基本です。
トレーニング中、立ち上がれなくなってしまったら、無理に立ち上がろうとせず、そのまま一番下までしゃがみ込んでください。そうすることで、背負っていたバーが安全バーに預けられ、身体への負担なく脱出することができます。
安全バーを高く設定しすぎると、しゃがむ途中でバーが当たってしまい、下半身の筋肉(大腿四頭筋や大臀筋)をフルレンジで鍛えることができません。ウォームアップの軽い重量の段階で一度深くしゃがみ込み、当たらない高さを探るのがコツです。
デッドリフトやベントオーバーロウをスミスマシンで行う場合、安全バーは単なる落下防止だけでなく、「スタートポジションの調整」としても役立ちます。
スミスマシンは構造上、バーが床まで完全に下がらないことがあり、床引きのデッドリフトがやりにくい場合があります。そんな時は、安全バーを膝下からスネの中央あたりの高さに設定し、そこからバーを引き上げる「ハーフデッドリフト(ラックプル)」を行うのがおすすめです。
安全バーを活用してスタートの位置を高くすることで、腰への負担を軽減しつつ、背中の筋肉(広背筋や脊柱起立筋)に刺激を与えることができます。ベントオーバーロウの場合も同様に、毎回床まで降ろさずに安全バーの上に軽くタッチさせるように動作を行うことで、腰へのストレスを減らし、効果的に背中を追い込むことが可能です。
安全バーは間違った使い方をすると危険を招いたり、マシンを破損させたりする原因になります。ここでは、安全バーを使用する上で知っておきたい注意点とNG行為を解説します。
安全バーを設定する際、必ず「左右の高さが一致しているか」を目視で確認してください。
左右の高さがズレている状態でバーを落下させてしまうと、バーが斜めに傾いて危険です。片側のセーフティだけに衝撃が加わることで、マシンの支柱が歪んだり、バー自体が曲がったりする破損の原因になります。
斜めに落下したバーの反動でバランスを崩し、怪我に繋がる恐れもあります。設定後には左右の穴(ピッチ)の番号や位置が同じになっているかをチェックする習慣をつけましょう。
安全バーを「バーをバウンドさせるためのトランポリン」のように使うのはNG行為です。
例えば、ベンチプレスやスクワットで、バーを勢いよく降ろしてセーフティに当て、その反動(バウンド)を利用してバーを挙上するような使い方は避けてください。安全バーはあくまで「失敗してしまった時の保険」であり、反動を使うためのものではありません。
高重量が勢いよく安全バーに激突すると、マシンやバーに衝撃と負荷がかかり、金属疲労を起こして破損する危険性があります。動作中は安全バーに触れないようにコントロールするか、触れるとしても「そっと触れる(タッチ・アンド・ゴー)」程度に留めるのが使い方です。
スミスマシンの事故で意外と多いのが、「バーのフックの掛け損ない」による落下事故です。
トレーニングの終盤、筋肉が疲労困憊の状態になると、手首を返してバーのフックを支柱に引っ掛ける力が弱まります。自分ではフックを掛けたつもりでも、先端が少し引っかかっているだけの「半掛かり」の状態で手を離してしまい、直後にバーが落下するというケースです。
これを防ぐためには、「フックが支柱に掛かったことを、目で見て確認してから手を離す」という基本を徹底することが重要です。そして、ヒューマンエラーは起こり得るため、「フックを掛け損なって落下しても大丈夫なように、安全バーを設定しておく」ことが防御策となります。
これからホームジム用にスミスマシンの購入を検討している方、あるいはジムでどのマシンを使うか迷っている方は、マシンのスペックにも注目してみましょう。安全性を考慮するなら、以下の2つのポイントが重要になります。
安全バーが機能するためには、それを支えるマシン自体の「フレーム強度」が必要です。
ホームジム用に安価なスミスマシンを選ぶ場合、本体の重量が軽すぎたり、フレームの鉄板が薄かったりするものがあります。そうしたマシンは、高重量のバーが安全バーに落下した際の衝撃に耐えきれず、マシン全体が転倒したり、フレームがひしゃげたりする危険性が伴います。
安全に追い込むためには、本体の耐荷重(特にセーフティ部分の耐荷重)が自分の扱う重量を上回っているかを確認しましょう。フレームの厚みがあり、重量感のある作りのマシンを選ぶことが、自身の安全を守ることに繋がります。
安全バーの使い勝手を左右するのが、高さを調整する穴(ピッチ)の間隔です。
このピッチの間隔が狭く(細かく)設定できるマシンほど使いやすいと言えます。なぜなら、ピッチが細かいほど「高すぎて可動域が狭くなる」「低すぎて圧迫される」という妥協をすることなく、自分の体格や腕の長さ、その日の種目の可動域に合わせやすいからです。
細かく調整できるものであれば、ベンチプレスにおける胸のアーチの高さに合わせてセッティングが可能です。トレーニング効果を損なうことなく、安全性を確保できるため、マシンの「調整幅の広さ」は選定基準となります。
「スミスマシンは軌道が固定されているから安全」というのは誤解です。万が一潰れてしまった場合や、フックを掛け損なった際のリスクはフリーウエイトと変わりません。安全バーは、怪我を防ぎ、一人でも安心して筋肉を追い込むための機能です。
ベンチプレスやスクワットなど、種目ごとに適切な高さに安全バーをセッティングし、左右のズレやバウンドなどのNG行為に注意しながら、理想のボディメイクを目指しましょう。
当サイトでは、他にもスミスマシンを使ったトレーニング種目や、部位別の使い方などを紹介しています。ぜひ他の記事も参考にして、日々のトレーニングに役立ててください。